Cuisine Campagneフランス地方料理
- フレンチの原点は郷土色豊かなフランス地方料理といわれています。
- 日本と同様に、フランス地方料理もそれぞれの地域特性(地理的条件・特産物・生活スタイルなど)が反映されています。
- それぞれのフランス地方の地域特性を少しだけご紹介いたします。
- T イル・ド・フランス
- 首都パリ郊外を中心としたフランスの首都圏。パリの近接地域ながら丘や森とともに豊かな田園風景が広がる。
- アスパラ・ニンジン・インゲン豆・クレソン・シャンピニオンなどの野菜や果物を産出し、地鶏・羊などの畜産やジビエも特徴。
- 王侯貴族のいた首都パリに近い地理的条件のために幾多の名シェフが古典料理や宮廷料理を芸術の域まで高めた歴史を持つ。
- U シャンパーニュ
- シャンパンの生産地として著名な地域。中心都市はランス。街には歴代のフランス王が戴冠式を挙げたランス大聖堂がある。
- ローマ時代から石灰岩の産地として知られ、現在、街にある坑道跡の地下空洞には多くのシャンパンが貯蔵されている。
- マスタード、豚や仔牛の内臓の腸詰、鱒やカマスなどの川魚、チーズが有名。また北部にあるアルデンヌの森には鹿や猪などのジビエが豊か。
- V アルザス
- ライン川を挟んでドイツと国境を接している地域。過去フランス領ではなくドイツ領となっていた経緯もあり、アルザス語という独特の方言はドイツ語に近い。
- フォアグラのテリーヌの発祥の地といわれ、高品質のフォアグラを生産し、チーズなどの乳製品や白ワインも品質が高い。
- キャベツ・カブ・ジャガイモ・タマネギなどの野菜、サクランボ・洋ナシ・プラムなどの果物やホースラディッシュ、キノコ、シャルキュトリー、ジビエの産地としても有名。
- W ブルゴーニュ
- 中世にはブルゴーニュ公国として栄え、ボルドーと並び著名なワイン生産の地域。中心都市はディジョン。
- ワインの他、コルニション・タマネギ・アスパラガスなどの野菜、サクランボ・カシスなどの果実、牛乳や山羊のチーズ、フランスで最も品質がよいとされているシャロレ牛などが特産品
- ブルゴーニュ地方料理といえばエスカルゴ、牛肉の赤ワイン煮込み、ディジョン産マスタードを使用した野兎のローストが有名。
- X ローヌ・アルプ
- フランス第2の都市圏規模の地域。中心都市はリヨン。リヨンは中世、その当時の文化の中心地イタリアのメディチ家の宮廷料理から食の文化が発達した。
- そのような歴史からリヨンには周辺地域のだけではなくフランス全土の食材が集まり、食のメッカとなっている。またリヨン周辺には超有名レストランもあり、世界各国の食通が集まる。
- 特産としてはハム・ソーセージなどのシャルキュトリーや牛乳・山羊のチーズなどが有名。
- Y プロヴァンス・アルプ・コートダジュール
- 南部は地中海に面している温暖な地域。中心都市はマルセイユ。
- アイオリやラタトゥイユに代表されるようにピーマン・ナス・トマト・ニンニクなどの野菜、オリーブ、黒トリュフ、そしてブイヤベースに代表されるように黒鯛・スズキ・アナゴなどの新鮮な魚介類、また仔羊も特産品。
- トマト・ニンニク・オリーブオイルはプロヴァンス料理の定番。温暖な気候によって野菜や果実、ハーブ、そして地中海の魚介類も加わり食の宝庫として有名。
- Z アキテーヌ
- 大西洋に面しスペインにも近い地域。中心都市はボルドー。一時期イギリス領だった経緯がある。
- ボルドーといえばワインが最大の特産品でフランス最大のワイン集積地。また仔羊の産地としても有名。
- 南部にはスペインと国境を接し独特の食文化をもつバスク地方がある。料理の特徴としては魚介類は珍しく、タマネギ・ピーマン・トマト・ニンニク・赤唐辛子が多く使われる。米や鰻の稚魚・特産の黒豚のを使った豚料理も特徴的。
- [ ブルターニュ
- フランス北西部にある大西洋に突き出した半島の地域。中心都市はレンヌ。
- 中世にはブリテン島(イギリス本土)から移住したブルトン人が建国したブルターニュ公国があり、そのためケルト文化が強く残っている。
- カザミ蟹・伊勢エビ・オマールエビ・ホタテ・カキ・イワシ・マグロ・スズキなどの魚介類やカリフラワー・ジャガイモ・タマネギなどの野菜やそば粉が特産。
- そば粉のクレープであるガレットはデザートだけではなく、ハムや卵を巻いて食事としても食される。